インド 建物

インドが危ないって言ったの誰?先入観は人生を損させる


私はインドに就職、転職したい方だけでなく、留学の相談にも乗ることが多く、その数はこの一年間で400名を超えました。その中で最も多い心配事がやはり生活面と治安面に関するものです。本記事でインドに来たことのない日本人のインドに対する先入観と現実のギャップをまとめていきたいと思います。インドに旅行に来ることと働きながら生活することは全く違います。あくまでもインド就職を考えている方向けの記事になっているので、住むことを前提に読んで頂ければと思います。

日本人はインドがなんか危ないと思っている

メディアに流されるな

私が面談でお話しする中で最も多いのが、「インドってなんか危なそう」というもの。そういう方はほとんどが実際に来たことがなく、テレビで取り上げられる面白おかしく描写されるシーンでイメージを語ってくることが多いです。もちろん、日本のバラエティ番組で放送されるガンジス川での沐浴やローカルマーケットにある屋台で一見かなりエキセントリックな光景が100%間違っているわけではありません。ただ、ああいったところはバックパッカーや観光客向けの場所です。インドで就職する方は仕事で来ているので、休日に好んで行かない限りあまり見ない部分かもしれません。

ぼったくりや詐欺は本当に沢山あるのか

結論から言うとほとんどありません。厳密に言うと相場より高い価格を提示されることはあるでしょう。これをぼったくりというのは日本人的な感覚です。インドや東南アジアでは、まだまだ価格交渉の文化が残っています。彼らは自分たちのサービスや商品が提示する価格と同等の価値があると思っています。それを高いと思うか安いと思うかは人それぞれなので、高いと思ったら買わなければいいだけのことです。全てに価格が決まっている日本とは違ってインドでは自分でその価値を判断する必要があります。

“郷に入っては郷に従え”という言葉がある通り、インドに来たからにはインドのルールで生きていくべきなのです。インド就職を考えている時点で、皆さんにはその覚悟があると思うので言うまでもないのですが。

大気汚染がひどいのは事実

これは日本でもよく取り上げられるニュースですが、事実、大気汚染はかなりあります。一昔前に中国のPM2.5が日本にも外をもたらしていると話題になりましたが、インドは同じような状況です。1970年代の日本、2000年代の中国と経済を爆発的に成長させている国に必ず直面する課題がインドにも突きつけられています。日本は高度経済成長期の大気汚染問題から立ち上がってきました。中国はその社会問題からなかなか抜け出せないでいます。

インドはどうなるでしょうか。ここで大事なのは国の姿勢です。インドはモディ政権主導で経済成長と環境問題解決を同時に成し遂げようとしています。まだまだ道半ばですが、中国の環境問題への取り組みを反面教師に本気で改善しようという姿勢が見られます。

実は住みやすいんじゃないか説

日本人で危ない目に遭った人を知りません

これは余り知られていないのですが、インドの重犯罪率はアジア諸国の平均を下回ります。そして、これまで200名程のインド就職、インド留学者のサポートを行なってきましたが彼らの身に何か危険が及んだという話は今まで聞いたことがありません。これはインドの非暴力の思想、拳銃文化がないことが理由として挙げられます。インド就職やインド留学で初めてインドに来た人は口を揃えて「思ってたより安全で拍子抜けしました。」と言います。日系企業が集まるデリーやグルガオンは特に整備されているので、特にそう感じるのかもしれません。

参考記事:
首都デリー生活情報!インドの首都を徹底解説!

タクシーやメトロの交通手段が安い

日本と違って首都デリー生活情報!インドの首都を徹底解説!住みやすいところの一つがタクシーやメトロが安くて利用しやすい点です。タクシーは2kmで約150円、メトロは1時間乗って100円未満なのでかなりお得感があります。タクシーは危ないのでは?という声が聞こえてきそうですが、今はUberなどのアプリが普及しており、ドライバーの質がかなり向上しています。他にも乗り物はあるのですが、タクシーがこれだけ安く乗り回せるのであれば移動に不便しません。

インドの外出事情

2017年6月現在、インドには8000人を超える日本人就労者がいると言われています。そしてそのうち5000人以上がグルガオンとデリーを拠点に活動しています。中には10年近くインドで働く方もいて、彼ら曰く「住む快適さは年々良くなってきている」と言います。

日系企業だけでなく外資系企業やインド系企業も多くビジネスマンが多いのでバーや繁華街もあり、週末は盛り上がっています。イケイケ系の日本人ビジネスマンも夜の街に消えていくこともあり、みなさんが利用するであろうバーがあるエリアは新宿の歌舞伎町よりは治安はかなり良いと思います。

参考記事:
グルガオンという街。インドの経済成長の中心都市での生活

まとめ

たしかにインドは日本人の中では刺激が強い国という印象があり実際にそういった場所も存在します。ただ、ビジネスマンとしてインドに挑戦するのであれば見るべき点は、今インドがどのように変化しているかという所です。本気で海外に挑むのであれば他人の意見や感想を断片的に捉えるのではなく、まずは来て自分の目で確かめることが必要なのではないでしょうか。