海外進出のパイオニア!スズキがインドで成功した3つの理由


日系企業のインドへの進出状況は2015年10月時点で1229社、4417拠点と企業数では最近5年で約2倍、拠点数では4倍まで及んでいます。その中でも、スズキは市場の40%近くのシェアを確保しており、インド進出のパイオニア的存在となっています。本記事では、インド進出の先駆けとなったマルチスズキの成功について考えていきます。

マーケットインの意思決定が早かった

スズキがインド政府と合弁会社をつくりインド市場に参入したのは1983年です。これは自動車メーカーでは最も早く、GMの1994年、ホンダの1995年、トヨタの1997年とその後に参入してくる大手メーカーに大きな差を付けています。
合弁会社設立当初、スズキとインド政府の株式比率はインド政府74%、スズキが26%でしたが、インド政府が徐々に株式を市場に開放し現在ではスズキが54.2%、一般株主が45.8%となっています。これは、どの外資系企業も進出に慎重だった当時のインド市場、インド政府に対する粘り強い取り組みがインド政府の信頼獲得に繋がり、その後の成功の要因になったと言えます。

小型車で低価格というインドのニーズをとらえた

インドは経済成長が著しいとはいえ、貧富の差が大きく車を購入できる人の比率はまだ低水準であり、税金も大きな負担となっていました。市場は低価格かつ税負担の小さな車を求めていたのです。そこでスズキは自社の技術によってマルチ・800(日本のアルトに近い)を生産・開発し、このニーズに応えました。ここからスズキは次々と市場のニーズに応えた開発・生産を行いインドでの地位を高めていきました。

現地生産と子会社設立による生産から販売までの合理化

2014年スズキはインドに100%出資の子会社の設立、新工場の建設の計画がある発表しました。これまではマルチ・スズキがインドでの生産から販売までを一貫して行ってきましたが、マルチの販売強化、また、生産台数が生産能力に迫る勢いで伸びているため設備負担をスズキ本体が負う戦略をとりました。
スズキはマルチと連携して早くから現地に工場を建設してきました。現地生産することで輸入関税が課からないようし、かつ、人件費コストも抑えられたため価格競争力が上がりました。

以上インドで成功している日系企業、スズキの成功要因でした。最大の要因は早くから市場に参入したことだったと考えられます。企業も人材も、皆が無理だと思うことをやることにこそ価値があるのかもしれません。